2026年10月1日、「教育訓練給付」の対象講座が大きく入れ替わりました。厚生労働省が8月に公表した最新リストにより、専門実践教育訓練は138講座増えて3,485講座に、特定一般教育訓練は151講座増えて1,532講座になっています。「リスキリング」「学び直し」という言葉はもう珍しくありませんが、実際にいくら戻ってくるのか、どんな講座が対象なのかを正確に把握している人は意外と少ないものです。今回は、2026年10月改定のポイントと、在職中・離職中それぞれの人がもらえるお金の目安を整理しました。
2026年10月、対象講座はこう変わった
教育訓練給付の対象講座は毎年入れ替えがあり、今回は2026年10月1日付けで新しいリストが適用されています。専門実践教育訓練の新規138講座のうち、看護師や社会福祉士など業務独占・名称独占資格の養成課程が63講座、AI・データサイエンスなど「第四次産業革命スキル習得講座」が50講座を占めています。残りは専門学校や大学院などの課程です。新規講座のうち58講座がオンライン対応、7講座が夜間、16講座が土日開催で、働きながらでも受講しやすい形式が増えているのも今回の特徴です。
特定一般教育訓練の新規151講座は、特定行為研修やケアマネジャー(介護支援専門員)などの養成課程が139講座と大半を占め、IT系の資格取得講座は2講座にとどまりました。デジタル・AI分野を学び直したい場合は、講座数・給付率ともに専門実践教育訓練が中心になりそうです。
3種類の給付金、給付率と上限額を比較
| 区分 | 給付率・上限 | 追加条件での上乗せ | 主な対象講座の例 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20%(上限10万円) | なし | 簿記、宅建、TOEICなど |
| 特定一般教育訓練 | 基本40%(上限20万円) | 資格取得+就職で+10%、最大50%(上限25万円) | 介護職員初任者研修、大型免許など |
| 専門実践教育訓練 | 基本50%/年(年間上限40万円) | 資格取得+就職で+20%、賃金5%以上上昇で+10%、最大80%/年(年間上限64万円) | 看護師、介護福祉士、社会福祉士など |
専門実践教育訓練は10年間で通算192万円が上限です。支給は受講中6か月ごとと修了後に分けて行われ、特定一般・一般は修了後の一括支給になります。なお、計算した給付額が4,000円以下の場合は支給されません。
給付を受けられる人の条件
- 在職中:受講開始日に雇用保険へ加入していて、支給要件期間(加入期間)が3年以上あること
- 離職後:離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、支給要件期間が3年以上あること(延長手続きをすれば最大20年以内)
- 初めて利用する人の特例:一般・特定一般は1年以上、専門実践は2年以上の加入で条件を満たす
- 年齢の上限はなし
- 公務員は原則、雇用保険の対象外のため利用できない
申請の流れは2パターン
一般教育訓練は事前の手続きが不要です。修了日の翌日から1か月以内に、修了証明書や受講料の領収書などを添えてハローワークに支給申請するだけで完了します。
一方、特定一般・専門実践教育訓練は事前準備が必要です。まず訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までに受給資格確認票とジョブ・カードをハローワークへ提出します。この期限を過ぎると給付が受けられなくなるので、講座に申し込む前にハローワークへ相談しておくと安心です。修了後(専門実践は受講中も6か月ごと)に支給申請を行います。自分が条件を満たしているかは、ハローワークの支給要件照会で事前に確認できます。
離職中・長期休暇中の人への追加給付もチェック
45歳未満で離職中の人が、専門実践教育訓練(通信制・夜間制を除く)を初めて受講する場合は、「教育訓練支援給付金」が別途支給されます。支給額は基本手当日額の60%相当(2025年3月31日以前に受講を開始した場合は80%)で、受講開始日が2027年3月31日以前であることが条件です。対象になりそうな人は期限が近づいている点に注意してください。
また、2025年10月1日に創設された「教育訓練休暇給付金」は時限措置ではなく、現在も続いている制度です。就業規則などに基づき30日以上連続で無給の教育訓練休暇を取る一般被保険者が対象で、失業給付に相当する給付が受けられます。長期間休んでまとめて学び直したい人には知っておきたい選択肢です。
まとめ:対象講座は厚生労働省の検索システムで確認を
今回の改定は、給付率そのものの変更ではなく対象講座の入れ替えが中心ですが、専門実践教育訓練の講座数が3,485まで増え、オンラインや夜間・土日開催の選択肢が広がった点は、働きながら学び直したい人にとって追い風です。気になる講座が対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで講座名から確認できます。受講を決める前に、自分の雇用保険の加入期間や、特定一般・専門実践なら2週間前の事前手続きが必要な点も忘れずにチェックしておきましょう。


コメント