【書評・要約】NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX

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【書評・要約】NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX

NO RULES 読みました!

リード・ヘイスティングス(Reed Hastings)さん、Netflix共同創業者・会長兼CEOが、エリン・メイヤー教授と共に、自ら書かれている本です。

エリン・メイヤー教授は、経営思想家ベスト50に入る、世界で最も影響力のある経営思想家の一人です。

パートごとに似顔絵が、書かれていて、なるほど、どちらが書いているのかが、わかるようになっています。

最初、どちらが、どちらかわからなかったのですが、男性が、リード・ヘイスティングス会長で、エリン・メイヤー教授は、女性です!

ルールがないなんて、なんて会社でしょう。

ルールのない中で、うまくやっていく自信があるでしょうか

それとも、ルールがないと聞いて、ワクワクしますか

世界一自由な会社、NETFLIXに興味のある方ルールのない会社に興味のある方、一緒に読んでいきましょう。

DVD郵送レンタルからスタートした会社は、動画配信サービス、コンテンツ自社制作、スタジオの内製化・グローバル化と、めまぐるしく「ビジネスモデルの破壊」を繰り返し、どうやって190カ国2億人という桁違いの会員数を持つに至ったのか?NETFLIXは特別な会社だ。そこには「脱ルール」のカルチャーがある。社員の「能力密度」を高めて最高のパフォーマンスを達成すること、そして社員にコントロール(規則)ではなくコンテキスト(条件)を伝えることを最優先としている。そのおかげで着実に成長し、世界と社員のニーズ変化に機敏に対応できている。だが、本書共著者で、企業文化の研究で名高い経営学者エリン・メイヤーの目には、NETFLIXカルチャーはマッチョで、対立を煽り、攻撃的なものに思えた。いかにも人間の本質を機械的かつ合理的にとらえる技術者が創った会社、というイメージだ。だが、NETFLIXは大成功している。本書がその謎を解き明かす。

NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX の目次は、こちら

Section1 「自由と責任」のカルチャーへの第一歩
第1章 最高の職場=最高の同僚
第2章 本音を語る(前向きな意図をもって)
第3a章 休暇規定を撤廃する
第3b章 出張旅費と経費の承認プロセスを廃止する
Section2 「自由と責任」のカルチャーへの次の一歩
第4章 個人における最高水準の報酬を払う
第5章 情報はオープンに共有
第6章 意思決定にかかわる承認を一切不要にする
Section3 「自由と責任」のカルチャーの強化
第7章 キーパーテスト
第8章 フィードバック・サークル
第9章 コントロールではなくコンテキストを
Section4 グローバル企業への道
第10章 すべてのサービスを世界へ!

休暇規定がない?

出張旅費の承認プロセスがない!

意思決定の承認もない!

目次だけで、なんかすごそうです!

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変化への対応

Pedestrians, People, Busy, Movement, Hectic, Osaka

今から20年前(2000年頃)、ブロックバスターというレンタルビデオ店は、世界9000店舗ありました。

一方、当時WEBでDVDのレンタル注文を受け、郵送するサービスを提供していたネットフリックスは、経営が行き詰まり、ブロックバスターに身売りを考えていました。

交渉は、うまくいかなかったようです。

しかし、10年後(2010年)ブロックバスターは、破産し、2019年には、オレゴン州にある1店舗のみとなっています。

ネットフリックスは逆に、自社制作した「ROMA/ローマ」が、アカデミーショーで10部門ノミネートされ、3部門でオスカーを獲得するなど、快挙を成し遂げています

この違いは、なんでしょうか?

この20年の間に、レンタルビデオからストリーミングという時代の変化がありました。

ネットフリックスは、どのようにこの変化に、対応することができたのでしょうか?

反対に、ブロックバスターは、対応できなかったのでしょうか。

リード・ヘイスティングス会長は、下記のように考えているようです。

ネットフリックスブロックバスター
社員重視プロセス重視
イノベーション重視効率重視
条件を伝える規則で管理

変化に適応していくというのは、大事なように思われました。

エリン・メイヤー教授は、ネットフリックスが、4回 大きな変化に対応したと言われています。

  • 郵送DVD事業から古いテレビや映画のインターネットストリーミングへの変化
  • 古いコンテンツのストリーミングから外部スタジオによる独自のコンテンツ
  • 外部スタジオから社内スタジオへ切り替えて、充実したコンテンツを提供する
  • アメリカだけの企業からグローバル企業へ

変化に対応できる組織を作るには、どうすればよいのでしょうか?

実は、リード・ヘイスティングス会長は、ネットフリックス以前にも会社を経営していました。

そこでは、ミスを目にするたびにルールを作成していたそうです。

その結果、効率がよくなりましたが、イノベーションを生み出せなくなりました。

ネットフリックスは、このような経験から自由を与えるには、2つの土台が必要と考えました。

管理が不要な優秀な人材で組織を作る(能力密度を高める)
お互いフィードバックして、パフォーマンスの質を高める

この土台を築くことで、出張規定、休暇規定など撤廃していくことができます。

NETFLIXは、いまの体制になるまで、この、能力密度を高める(社内の優秀さの密度) > 率直さを高める(フィードバックする環境を作る、透明性を高める) > コントロールを減らすというサイクルを3回繰り返したとのことです。

そうすると、他の会社が太刀打ちできないスピード感とイノベーションが生まれます。

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サイクル

Stopwatch, Gears, Work, Working Time, Time, Management

能力密度を高める

ネットフリックスでは、VHSからDVDに切り替わるタイミングで、送料がやすく郵送でのレンタルサービスを提供することができました。

順調に会社が成長する中、2001年ITバブルがはじけ、ネットフリックスでも、3分の1の社員を解雇することになってしまいます。

解雇を実施した後、一時的に士気は下がったものの、以後は、今までにない活気を見せたようです。

そこで、能力密度の大切さに気付きます。

優秀な人同士が、お互い学び合いモチベーションを高め合うことで、相乗効果が高まったことを経験しました。

では、管理が必要な人(凡庸なメンバー)がいるとどうなるのでしょうか?

リード・ヘイスティングス会長は、このように述べています。

  • 凡庸なメンバーに手がかかり、優秀なメンバーに時間が使えなくなる
  • 議論の質が下がり、チームとしての質も下がる
  • 凡庸なメンバーに仕事を合わせることになり、効率が下がる
  • 優秀な人が、最高の環境を求め転職を考える
  • 凡庸でも構わないというメッセージが社内に広がる

人、大事ですね!

エリン・メイヤー教授によれば、チームに足を引っ張る人がいることで、30%から40%パフォーマンスが下がることが証明されているそうです。

率直さを高める

優秀な人がそろうことで(能力密度を高めることで)、お互いのフィードバックを言える環境(率直さが高い環境)が整うのかなと思いました。

NETFLIXでは、そのような文化が根付いているので、社員のために講演に来たエリン・メイヤー教授にも講演の合間にフィードバックがあったそうです。

そして、それが、的確だったともエリン・メイヤー教授は、おっしゃっています^^;

さらに、ある研究の中で行ったアンケートでは、多くの人が真実の声(修正的フィードバック)を聞き改善に役立てたいという結果も出ているとのことです。

フィードバックを部下から上司にすると、部下は、上司に反感を持たれないかなど不安を感じます。

それを感じさせないために、感謝などを伝える「帰属のシグナル」が、必要だそうです。

帰属のシグナルとは、”関係がおかしくなることはない”、”あなたは仲間だ” ということを伝える仕草です。

「ストレンジャー・シングス」でヒットを出したブライアンライトは、入社当日のミーティングで驚きを隠せなかったようです。

CCO(コンテンツの最高責任者)のテッドが、ミーティングで4階層下の部下に意義をうったえられていたそうです。

そして、ミーティングのあとに、テッドは、議論した部下に「最高のミーティングだったよ。」と感謝を伝えていました。

CCO テッド

会社が君らを雇っているのは、意見を聞くためだ。会議室にいる人間は全員、率直な意見を言う責任があるんだ。

ネットフリックスでは、フィードバックをどのように行うのか教育もしっかり行っています。

フィードバックの基本を4つの”A”で、表現しています。

  • フィードバックするときは、相手のためにする(AIM TO)
  • フィードバックするときは、行動変化を促す(ACTIONABLE)
  • フィードバックを受ける時は、感謝する(APPRECIATE)
  • フィードバックを受ける時は、取捨選択する(ACCEPT OR DISCARD)

基準必要ですね!

コントロールを減らす

能力密度を高め、お互い率直さを高めることができたら、コントロールを減らすことができます。

ネットフリックスで、休暇規定撤廃を行ったのは、2003年です。

休暇規定廃止のメリットを下記のように考えています。

  • 一流の人材を惹きつけ、つなぎ止める
  • 管理コストを抑えられる
  • 社員に信頼しているというメッセージとして伝わる

逆に、定義された休みがないために、休みをとらなくなってしまわないのか

大事な時にみんなが、休みをとって誰もいないなんてことにならないのか

という疑問は、あったそうです。

そのために、2つだけ施策を行っています。

  • ちゃんと休みをとるように、上司が率先して休みを取る
  • 忙しい時期に何人も休みをとるようなことがないように、マネージャーが、条件を提示する

リード・ヘイスティングス会長も年間6週間の休みを率先してとっているようです!

そして、2004年には、出張旅費と経費の承認プロセスを廃止しました。

仕事に必要なものであれば、なんでも請求していいと言うものです。

実装するにあたり、いくつか失敗もあったようです^^;

  • 短距離フライトで、役員がエコノミーに乗っていたのに、たまたま一緒だったプロジェクトメンバー全員ビジネスクラスだった
  • 仲間内の飲食の請求
  • 3年間出張を繰り返し、贅沢な旅行を繰り返してた社員がいた
  • 家族の食事を請求してた

そこで、承認プロセス撤廃にあたって、必要な施策を次のように定義しています。

ネットフリックスの利益を最優先に行動する(会社にとって最善の選択と説明できる)
マネージャーか内部監査が領収書をチェックする(内部監査の場合、発見されたら解雇)

内部監査じゃなくても変なことしたら解雇です!

その代わり得られることは、なんでしょうか?

自由、スピード、驚くほどの節度とおっしゃっています。

自由を与えることで支出が少し増えたとしても、社員が飛び立てない職場を作るのに比べればまだ安い

さまざまな書類の記入、承認を得させて自由を奪うと、フラストレーションが溜まるのと、スピード感と柔軟性が失われます

HPで働いていた社員が、コンサル費用を承認するのに6週間かかったことに憤り、ネットフリックスに転職したエピソードを紹介されています。

転職後に、プロジェクトの経費の承認方法を聞いたところ、「自分でサインして、ベンダーに送っておいて」という回答に、冗談抜きでひっくり返りそうになったようです!

それは、すごい!

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サイクルを繰り返す

Cable, Computer, Sata, S-Ata, Connection, Plug, Pc

ネットフリックスでは、能力密度を高める > 率直さを高める > コントロールを減らすというサイクルをあと2回繰り返しました。

2回目のサイクル

2回目のサイクルを回すことができれば、会社は、「自由と責任」のカルチャーの恩恵を受けることができるそうです。

スピードが速くなり、イノベーションが活発になります。

そして、社員の満足度が、高まります。

能力密度を高める

とてつもなく優秀な人をやといます。

とてつもなく優秀な人とは、仕事のスピードが速いということではなく、クリエイティブでイノベーションを起こせる人のことです。

仕事がどんなに効率的になっても2倍、3倍の価値しか生み出せません。

しかし、イノベーションを起こせる人は、10倍、100倍の成果を生み出せます。

そして、そのような人たちに見合った最高の給料を払います。

率直さを高める

2回目のサイクルでは、社内で秘密をつくらずオープンな環境を整えます。

経営層が何を考え、どのような方向性を持っているのか、売り上げがどうだったのか、包み隠さず共有します。

株主総会前に、リークすれば株価が暴落するような情報や社員がインサイダー取引で逮捕されるリスクがある情報も共有します。

その代わりに、社員には責任を求めます

そうすることで、社員が当事者意識を持ち、コミットメントを高めていくことができます。

社員は、責任感を持って、自分たちがどれほど信頼に値する人間かを証明しようとするようです。

社員のプライバシーに関わるようなことは、共有に注意します。

コントロールを減らす

そして、意思決定に関わる全ての承認が不要となります。

メンバーの提案がうまくいかないと思うなら、なぜその人を雇ったかという考えのようです。

そして、任せられないような人であれば、去ってもらうべきだと言われています。

イタリアで番組配信の広告をしていたメンバーが、良い広告を思いつき、周りも賛同してくれたが、CEOの一言で打ち合わせ開始の3分で却下となったようです。

その後、ネットフリックスに参入した彼は、よいアイデアを上司に打ち合わせ前にメールしました。

打ち合わせでは、提案に触れることなく終始、採用問題の話がされていました。

落ち着かなくなった彼が、上司に自分の提案の話をさせてくれと頼みました。

上司が、何か議論が必要なのか?決めるのは君だよ という言葉が信じられなかったと言われています。

3回目のサイクル

2回目のサイクルを回し、組織が大きくなると文化を維持するのが難しくなります。

文化を維持するために、3回目のサイクルが必要です。

能力密度を高める

3回目は、ちょっと厳しい話でした。

日本では、難しそうな解雇の話に関係します。

採用をどんなに頑張っても間違った人を採用することもあるし、期待したほど成長しないこともあります。

また、会社のニーズが、変わることもあります。

企業経営者の多くは社員に向かって「私たちは家族だ」とどうどうと語っているが、能力密度の高い職場というのは、家族ではない。

プロスポーツチームは、能力密度が高い組織の比喩として最適とも言われています。

ネットフリックスが、プロスポーツチームと違うことは、ポジション数が決まっていない点です。

優秀な人がたくさんいれば、ポジションを増やしていくこともできます。

ネットフリックスでは、メンバーが常に最適か確認するキーパーテストというものがあります。

キーパーテストでは、マネージャーに、チームメンバーが明日やめると言ったらとめるか?それともほっとするか?と問いかけます。

そして、後者なら、退職金を与え本気でいて欲しい人を探すことを促します。


それは、自分自身にもおこない、CEO自ら、自分以上に適任がいれば、自分が失敗してなくても変わるべきと考えています。

率直さを高める

率直さを高める次の施策は、社員に任せていた率直なフィードバックを仕組みとして導入することです。

定期的に歯医者に行って、問題がないかチェックするような仕組みを取り入れます。

ネットフリックスでも、360度評価を行っています。

しかし、一般的に行われている匿名ではなく、実名で行っています。

普段から、フィードバックをしているのに、定期的な評価の時だけ、匿名は、おかしいという企業文化です。

そして、評価には、次の3つが重要です。

何をやり始めるべきか
何をやめるべきか
何を継続するべきか

耳あたりのいい褒め言葉をさけ、25%は、肯定的で、75%は、改善を促すべきだそうです。

ネットフリックスで働くような優秀な人にも75%の改善点が常にあるのですね!

コントロールを減らす

ネットフリックスのディレクターは、ドキュメンタリー映画の「イカロス」を落札するために250万ドルを用意していました。

しかし、それでは、足りなそうで追加で150万ドル必要になりそうです。

そこに、COOのテッドが現れ意見を聞きました。

400万ドルは、ドキュメンタリー映画としては破格のようです。

テッドは、質問には答えず、こう言いました。

いいかい、オレがどう思うかはどうでもいい。ドキュメンタリー担当はオレじゃない、君だ。こういう判断をさせるために君に給料を払っているんだ。

普通の会社で、このような金額の判断に役員が関わらないことはありません!

コンテキスト(条件)でのリーダシップは、コントロールよりも難しいです。

コンテキストで管理するための条件の中身が重要になります。

能力密度の高さ
会社の目的が、イノベーションである

そして、部下が失敗したなら、コンテキストを見直すべきと言われています。

このように出来上がった組織を、ピラミッドではなく、木で表現しています。

トップはです、上級管理職を支えます。

上級管理職は、です。

幹は、意思決定を実際に下すを支えます。

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感想

皆さん、如何だったでしょうか?

ネットフリックスすごいですね!

NETFLIXで実際にあったことを時系列で追いながら、専門家の意見を添えていて、説得力がありました。

また、失敗したことや効果を実例をあげていたので、興味深くて、楽しく読むことができました!

優秀な人を集め、お互いフィードバックすることで、余計な管理が不要となりますね^^

自由な環境で働くNETFLIXが、圧倒的なパフォーマンスを生み出せたのも納得です。

日本では、同じことをやろうとすると難しい部分もあるかもしれませんが、人、人事の大切さを改めて考えさせられました。

確かに、優秀な人を集めて、コントロールしない環境を整えることができたら、素晴らしいと思います。

徐々に近づけていきたいと思いました。

もちろん、説明しきれていない、エピソードや内容もたくさんあります。

ご興味あれば、読んでみてください^^

転職も考えたくなった方は・・・IT専門転職エージェント@PRO人

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました!

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