【書評・要約】アフターデジタル2 読みました
藤井保文さん アフターデジタル2 読みました。
そして、要点をまとめてみました。
藤井さんは、株式会社ビービット の 東アジア営業責任者で、中国の日系クライアントに、デジタルトランスフォーメーションの支援を行っています。
アフターデジタルが、出版されて、間もなく、アフターデジタル2が、出版されました。
アフターデジタルとは、デジタル化した後の世界で、OMO(Online Merge Offline)と定義されています。
OMO とは、オンラインとオフラインが融合化した状態で、利用者が、オンライン、オフラインを意識しないで、自分の都合にあわせてサービスを受けられる状態です。
日本でも、LINE は、2019年のCONFERENCE で、OMOを掲げていたようです。
パンデミックによって、オンライン化が、急速に進む中、間違った方向へ行くことに懸念をもって出版を早められたようです。
本書は、5章で構成されています。
アフターデジタル2 の 目次は、こちら。
まえがき アフターデジタル社会を作る、UXとDXの旗手へ
第1章 世界中で進むアフターデジタル化
第2章 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方
第3章 誤解だらけのアフターデジタル
第4章 UXインテリジェンス
第5章 日本企業への処方箋
UX:ユーザエクスペリエンス(利用者の体験、経験)
DX:デジタルトランスフォーメーション(電子への移行)
中国の状況
中国では、なんと都市部での現金使用率が、5%以下になっているようです。
自動販売機にお金を入れることもできないようです!
レストランも注文から支払いまで、スマートフォンで完結してしまいます!
これは、日本のレストランチェーンでも進めてもらいたいです。
テーブルにQRコードがあって、それを読みこむとメニューが表示され注文、支払いができます。
WeChat (日本だとLINE)で、全て決済できるので、食い逃げもできません。
デリバリーサービスは、すでに食のインフラとして広まっているとのことです。
また、シェアリング自転車は、30分 15円程度で 利用することができます。
タクシーは、日本よりも安いので、アプリを通じて、手軽に利用されているようです。
中国では、一日の生活に様々なサービスが、入り込んでいます。
朝食の出前、コーヒーのピックアップ、自転車レンタル、ランチ、夜の会食、買い物のデリバリーなどなど。
本当に、便利ですね!
Grab というアプリ
本書では、アジアのスーパアプリが、紹介されています。
スーパアプリの収入は、主に金融が、主体となるそうです。
Grab というアプリは、Uberのような配車サービスから始まり、今や 人やモノが移動することに関わる全てのことを担う というところに焦点をあててるようです。
ドライバーは、車内に広告を出すことで、さらに利益を受けられ、ドライバーの人生を支える重要なインフラとなっています。
僕も、Grabの配車サービスを何度か使ったことがありますが、まさか、Grabが、金融サービスを展開してるとは知りませんでした!
Grab では、ドライバーの収入が大体わかるので、それをもとに計算し、融資しています。
さらに、Grab では、フードデリバリー、ピックアップサービスまで、行っています。
インドのGaaS
インドでは、GaaS(Government as a Service)という、政府のサービスのオンライン化が進んでいるようです。
インドでは、銀行口座を持てない人も多く、貧しい地域に支援のお金を送るにも輸送するという形で行われていたケースもありました。
しかし、なぜか 途中でお金が減って、届かないこともあったようです。。
また、しっかり住民の管理がされてないため、課税もちゃんとできてなかったようです。
GaaSが、進んだ背景には、このような状況の後押しもあったのでしょう。
全13億人のデジタルIDを発行して、顔認証、指紋認証、虹彩認証が、紐づいているようです。
個人の証明が明確になったことで、銀行口座も作れるようになり、補助金もしっかりと目的に利用されるようになりました。
さらに、医療や教育も充実したそうです。
すばらしいですね。
誰でも利用できるAPIも実装され、企業や個人がGaaSサービスと連携されるようです。
API は、システム開発を通して、サービスに接続できる仕組みです。
どのように対応していくのか
アフターデジタルの読者から、日本の対応が遅い という声が多かったようです。
日本の法律の仕組み上、新しいことを始めにくい状況にありそうです。
中国と比べた場合、中国は、「やってはいけないことを決め、それ以外は一旦やってもよい」というブラックリスト方式です。
一方、日本は、「やっていいおとを決め、それ以外は、やってはいけない」というホワイトリスト方式であることが、挙げられています。
このように、新しいことを始めにくい環境設計であることは、大きな要因であると考えられています。
中国では、メーカーが顧客との接点を増やし、モノではなく、ユーザ経験を販売するようになってきています。
例えば、自動車メーカーのNIOは、車の販売で終わらずに、自動運転やAIの他、充電サービス、メンテナンス、会員用のラウンジやイベント、EC などを提供しているようです。
モノをただ売るだけのサービスは終わり、ユーザに寄りそう形に変わってきてるそうです。
日本が、中国のように そのままアフターデジタルの形をするには、いろいろと違いがあり、考慮しなければならないです。
特に、人口の違いは、大きく、日本でサービスが、5000万人に利用されているのと、中国で5億人に提供するのでは、できることが変わってきます。
また、中国がお金を中心に価値観が存在する一方、日本は、一人一人がそれぞれ、独特で、多様性や特異性に特徴が出ると言われています。
そんな中で、日本が学べる部分、変えていける部分は、どのように顧客との接点を作っていくかという点になりそうです。
ユーザとの接点を増やし、取得した情報をユーザ体験の向上、ビジネスプロセスの向上、ユーザ及びビジネスの付加価値に利用していくことを推奨されています。
そこに、日本の特徴である多様性を付加し、”多様な自由が調和するアフターデジタル社会” を目指すべき と言われています。
感想
Uber(配送サービスとして)が、今も まだ、ないことや キャッシュレスの浸透、デリバリーの普及など、日本が、対応に遅れているのでは? と少し感じました。
対応が、遅れて、よかった点などもあるかもしれません。
しかし、特に、パンデミック後の世の中は、大きく変わっていくと思うので、体制を変えていくチャンスではないかと思いました。
良くも悪くも 日本の ホワイトリスト方式の考え方と 中国のブラックリスト方式の考え方の差が、出ているのでしょうか。
他に、日本の高齢化が、新しいことの遅れに関係は、あるでしょうか?
Netflix や Youtubeなど 動画サービスが、浸透している中、レンタルショップもいまだ健在です。
今後、どのように変わっていくのか、差がついていくのか、全く違うイノベーションが、生まれるのか、楽しみにしていきたいと思います。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました!
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