サマータイムの影響?― 健康との意外な関係 ―

健康
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― サマータイムと健康の意外な関係 ―

秋の夜が少しずつ長くなってきましたね。
「もうすぐ時計を1時間戻す日か」と思うと、どこかホッとする人も多いのではないでしょうか。
だって、1時間多く眠れるんですから。
毛布の中でもう少しぬくぬくできる…その小さな幸せを思うと、悪くない話に聞こえます。

ただ、これは主に海外の話
日本では現在、サマータイム(夏時間)は採用されていません。
それでも「海外ではそんな制度があって、人の体に意外な影響を与えている」という話を知ると、
時間と健康の関係を少し見直したくなります。


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■ サマータイムって何?

サマータイム(Daylight Saving Time:DST)は、
日照時間を有効に使うために時計を1時間進める制度です。
1916年、第一次世界大戦中のイギリスで始まりました。
目的は「エネルギーの節約」と「日中の光を最大限に活かすこと」。

春のある日曜日に時計を1時間進め、秋になると元に戻す。
これが今でも多くの国で行われています。
現在、約70か国・世界人口の4分の1以上がこの制度を導入しています。
アメリカでは1966年から続き、ヨーロッパでも長く慣習として定着しています。


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■ たった1時間のずれが体に与える影響

アメリカの研究では、春に時計を進めた直後の月曜日、
心臓発作で入院する人が増えるという結果が出ています。
同様の傾向はドイツやフィンランド、メキシコなどでも確認されています。

世界の研究をまとめた分析では、春のサマータイム導入直後に
心臓発作が平均4%増加
また、脳卒中や交通事故、うつ症状の増加など、
「ほんの1時間」のずれとは思えないほどの影響が報告されています。

アメリカの調査では、春の時計変更後に
致命的な交通事故が6%増えるとの結果もありました。
原因は、たった1時間の睡眠不足と体内リズムの乱れ。
寝不足で注意力が落ちることが、直接命に関わるのです。


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■ 体の中にも「時計」がある

私たちの体には、「体内時計」と呼ばれる**サーカディアンリズム(概日リズム)**があります。
おおよそ24時間周期で、睡眠や食欲、体温などをコントロールしています。

このリズムを整える最大の信号は「太陽の光」です。
夜に暗くなると、脳の松果体からメラトニンが分泌され、「そろそろ寝る時間だよ」と体に知らせます。
朝、光を浴びるとメラトニンの分泌が止まり、代わりにコルチゾールが出て目が覚めます。

ところがサマータイムのように、時計を進めて夜が明るく、朝が暗いという状況になると、
このサイクルが狂います。
寝る時間になっても光が多いため、メラトニンの分泌が遅れて眠れない。
朝は光が足りず、体がまだ目覚めていないうちに起きなければならない。

これが、心臓や脳、メンタルにまで影響するのです。


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■ 「体の時間」と「社会の時間」がずれる

オックスフォード大学のデイヴィッド・レイ教授は言います。

「体内時計は本来、自然の明暗サイクルに合わせて動いています。
でも、サマータイムのように人為的に時間を変えることで、
私たちは“時計に逆らって生きる”ことになるんです。
わずか1時間のずれでも、社会全体で見れば健康への影響は無視できません。」

実際、夜勤や交代勤務のように時間の不規則な仕事をしている人々は、
糖尿病・肥満・心臓病・がんなどのリスクが高く、平均寿命も短いというデータがあります。
体内時計のズレは、それほどまでに健康に直結するのです。


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■ 日本にサマータイムがない理由

日本でも戦時中や東京オリンピック前後にサマータイムが検討されたことがあります。
しかし「生活リズムが乱れる」「健康への負担が大きい」といった理由から、定着しませんでした。

実際、日本の緯度では日照時間の差が比較的小さいため、
わざわざ時間をずらすメリットがあまりないとも言われています。
また、労働時間が長い国でサマータイムを導入すると、
「単純に働く時間が延びるだけ」という懸念もあります。

つまり、サマータイムは「日本には関係ない」と言っていいかもしれません。
けれども、時間と体のリズムの関係を知ることは、私たちにも十分意味があります。


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■ 日本人にとっての「時間との付き合い方」

日本ではサマータイムこそありませんが、
「体のリズムを無視した生活」は意外と身近にあります。

・夜遅くまでスマホを見て寝つけない
・休日に寝だめして月曜がつらい
・深夜まで残業して朝起きられない

これらも、実は体内時計のズレによって起きています。

光の刺激でメラトニンの分泌が抑えられたり、
睡眠リズムがバラバラになったりすると、
集中力や免疫力が落ち、メンタルの調子も崩れやすくなります。


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■ 自分の「体内時計」に戻す工夫

サマータイムがない日本でも、
自分の体のリズムを整えるための工夫はできます。

  • 朝起きたらまずカーテンを開けて光を浴びる
  • 夜はスマホやパソコンの光を早めに遮断する
  • 寝る時間と起きる時間を休日もなるべく一定に保つ
  • 寝る1時間前に照明を少し落とす

これだけでも、体内時計が整いやすくなります。


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■ おわりに ― 時計よりも、自分のリズムを大切に

サマータイムは日本にはありません。
でも、「時間に合わせて生きる」ことの難しさは、私たちも同じです。

社会のスケジュールに追われて、
自分の体の声を聞けなくなっていないでしょうか。

時計を見ながら行動することも大事ですが、
ときには「自分の体が今どう感じているか」を基準にしてみる。
それが、健康にも心にも優しい“時間の使い方”なのかもしれません。

ありがとうございました!

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