9月3日は「秋の睡眠の日」。この日に合わせて西川株式会社が、全国18〜79歳を対象にした大規模調査「nishikawa 睡眠白書 2026」を公開しました。2018年から続くこの調査も今年で9年目。基本調査1万人・本調査3000人という規模で、日本人の睡眠事情がかなり具体的に見えてきます。
「最近よく眠れていない気がする」「休日に寝だめしているのに疲れが取れない」——そんな心当たりがある人は、今回の結果を他人事とは思えないはずです。この記事では、白書の主なポイントを健康・生活の視点から整理してご紹介します。
成人の52.3%が「不眠傾向」という衝撃
調査では不眠の程度を測る国際的な指標「アテネ不眠尺度」が使われました。その結果、成人の過半数にあたる52.3%が不眠症の可能性ありと判定される水準にあることがわかりました。半数以上というのは、決して少数派の悩みではなく、むしろ「眠れている人」の方が珍しいとも言える数字です。
眠りの悩みは特別な人だけのものではなく、多くの人が抱える身近な健康課題になっているという点を、まず押さえておきたいところです。
休日の寝だめが招く「社会的時差ボケ」
今回の白書でとくに注目されているのが「社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)」です。これは平日と休日で就寝・起床時間が大きくズレることで、まるで時差のある国を行き来しているかのように体内時計が乱れてしまう状態を指します。
- 高校生:平均71.9分のズレ
- 20代:平均77.3分のズレ(成人の中で最大)
「平日は寝不足だから、休日は思いきり寝だめする」というのは多くの人がやりがちな行動ですが、このズレが1時間を超えてくると、体内時計への負担は無視できないレベルになります。寝だめそのものが悪いわけではなく、平日と休日の睡眠リズムの差を小さく保つことが大切、というのが白書からの示唆です。
子どもたちの睡眠不足も深刻
大人だけでなく、成長期の子どもたちの睡眠不足も浮き彫りになりました。厚生労働省が推奨する睡眠時間の水準に対し、平日に十分な睡眠が取れていない子どもの割合は次の通りです。
- 高校生:69.5%
- 中学生:45.6%
- 小学生:43.2%
高校生の約7割が推奨水準に届いていないというのは、学業や部活、スマートフォンの利用時間なども絡む根深い問題です。成長期の睡眠不足は集中力や心身の発達にも関わるため、家庭でできる範囲での就寝時間の見直しが呼びかけられています。
働く人の48.1%が睡眠不足による業務ミスを経験
ビジネスパーソンにとって見過ごせないのが、働く人の48.1%が睡眠不足が原因の業務ミスを経験しているというデータです。具体的な内容として、うっかり忘れる「忘却」、操作ミス、入力ミス、居眠りなどが挙げられています。
こうした背景から、職場での仮眠制度、いわゆる「パワーナップ」の導入を希望する声は41.8%にのぼりました。個人の努力だけでなく、企業側が短時間の仮眠を取りやすい環境を整えることも、ミス防止や生産性の観点から現実的な打ち手になりそうです。
都道府県別で見る睡眠時間の差
都道府県別のランキングも興味深い結果になっています。平日の睡眠時間がもっとも長かったのは青森県で7時間44分、もっとも短かったのは鳥取県で6時間31分。全国平均は7時間8分でした。1時間以上の開きがあることから、通勤時間や地域の生活リズムなど、暮らし方の違いが睡眠時間にも表れていると考えられます。
広がる「睡眠投資」というトレンド
睡眠の質を上げるためのグッズへの関心、いわゆる「睡眠投資」も広がっています。購入意向がもっとも高かったのは「オーダーメイド枕」で27.8%。次いで「リカバリーパジャマ」が22.7%となり、前年の6位から一気に3位へ順位を上げました。寝具やナイトウェアを見直すことも、手軽に始められる睡眠対策として支持を集めているようです。
今日からできる、睡眠を整える3つのポイント
白書の提言を踏まえると、特別な準備をしなくても今日から意識できることがいくつかあります。
- 休日の起床時間を平日と1時間以内の差に抑え、社会的時差ボケを防ぐ
- 子どもの就寝時間を10〜15分ずつでも早め、成長期の睡眠を確保する
- 日中に眠気が強い日は、15〜20分の短い仮眠(パワーナップ)を取り入れる
寝具を新調するのも一つの方法ですが、まずはお金をかけずにできる生活リズムの調整から試してみるのがおすすめです。
まとめ
「nishikawa 睡眠白書 2026」からは、成人の半数超が不眠傾向にあること、若い世代ほど社会的時差ボケが大きいこと、そして子どもの睡眠不足も深刻であることが見えてきました。睡眠は健康の土台であり、生活全体の質にも直結します。「秋の睡眠の日」をきっかけに、自分自身や家族の睡眠リズムを一度振り返ってみてはいかがでしょうか。


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