「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」――そんな悩みを抱えている人に注目してほしい調査結果が発表されました。食事管理アプリ「あすけん」と、ウェアラブル端末Fitbitの睡眠データを組み合わせた、延べ約38万件という大規模な統合解析です。カギを握っていたのは、意外にも「夕食」ではなく「朝食」でした。
18,173人・38万件のデータからわかったこと
この調査は、株式会社askenが早稲田大学の柴田重信名誉教授、株式会社310LIFEと共同で実施したものです。2025年9月1日から11月16日にかけて、20代から70代の男女延べ18,173名を対象に、「あすけん」の食事記録とFitbitの睡眠データを統合して解析しました。第26回日本抗加齢医学会総会や日本睡眠学会第50回定期学術集会でも発表された、信頼性の高い研究成果です。
よく眠れている人が摂っている「6つの栄養素」
睡眠効率85%以上・睡眠時間6時間以上という「質が良く長い睡眠」がとれている人は、次の6つの栄養素の摂取量が多い傾向にあることがわかりました。
- カリウム
- ビタミンA
- マグネシウム
- たんぱく質
- 食物繊維
- カルシウム
さらに「深い眠り」がとれている人の特徴を見ると、たんぱく質・食物繊維・カリウムの摂取量が多く、運動量も多い一方で、アルコールの摂取量は少ないという結果が出ています。特別なサプリメントや健康食品ではなく、野菜・果物・肉魚・乳製品といった日々の食卓に並ぶ食品から、これらの栄養素を自然に摂れているかどうかがポイントのようです。
意外な発見:睡眠を左右するのは「夕食」より「朝食」
今回の調査で特に興味深いのは、睡眠時間が短くても質の良い眠りがとれている人には「朝食をしっかり食べている」という共通点が見られた点です。逆に、食事量が夕食に偏る傾向がある人は、睡眠の質の低下やBMIの高値と関連していました。
研究を主導した柴田重信教授も「夕食でなく朝食に関連するという非常に面白い成果」とコメントしており、「眠りのために夜何を食べるか」よりも「朝どう食べるか」に目を向けるべきだという新しい視点を示しています。管理栄養士の道江美貴子氏も、特別な食品に頼るのではなく、バランスの良い日々の食事の積み重ねが良い眠りにつながると述べています。
今日から意識したい3つの習慣
- 朝食を抜かない:忙しい朝でも、たんぱく質(卵・納豆・ヨーグルトなど)を含む朝食を意識して摂る。
- 夕食に偏らせない:1日の食事量が夜に集中しないよう、朝・昼・夜のバランスを見直す。
- 野菜・果物・乳製品を毎日の食卓に:カリウム、ビタミンA、マグネシウム、食物繊維、カルシウムを無理なく摂れる食品を意識的に選ぶ。
睡眠の質を上げるというと、寝室環境や寝る前のスマホ習慣など「夜」に意識が向きがちですが、今回の調査結果は「朝の一食」の積み重ねが眠りの質を左右する可能性を教えてくれます。まずは明日の朝、いつもよりひと品プラスすることから始めてみてはいかがでしょうか。


コメント